まっちゃんの桜の木陰日記

自然豊かな富山を舞台にランニング、サイクリング、そしてカイロプラクティックを施すミドルエイジアスリートの日記

憧れ続けた100マイラーの夢を叶えた信越五岳2018⑤(笹ヶ峰〜戸隠)

笹ヶ峰エイドで補給を終え、夜間走に備えライトの準備をしてエイドを出た私ですが、ここでとあるミスを犯します。それはボトルへ水を補給し忘れた事です。もちろんエイドでは飲み物、食べ物をしっかり食べたんですが(このあたりでは胃腸トラブルはほぼ解消)、次のエイドまで水を持って行かないというのは自殺行為にも等しい行為です。いくら夜になり涼しいからと言って、2〜3時間のトレイル走を水無しで進むのはかなりリスキーです。やっぱり疲れで注意力が欠けてきてたんでしょうね。

 

しかし水は全く無かったわけではなく、黒姫→笹ヶ峰間はではさほど消費してなかったので、2つ持ってたボトルにそれぞれ4分の1は残ってる感じでした。それでもそんなに多くはありません。

「ヤバイな…本当にキツくなったらどうしよう?」と不安を感じつつも、なるべく汗をかかずにスローペースで進めば持つかな?と甘い考えも…。最悪、沢の水でも汲もうと開き直った頃でした。なんと前方に山肌から水が湧き出る水場があります。なんてラッキーなんでしょう、これこそ天の助け!まだ日没寸前だったの見つけることができましたが、暗くなってたら見逃してたかもしれません。すぐさま2本のボトルに補給して先を行きます。さりげなく通過しましたが、本当にホッとしました。

 

間も無く日も落ち、辺りはすっかり闇に包まれました。こうなってくると心配なのが眠気です。よく「1日目の夜は耐えれても2日目の夜がキツい」といった経験者のコメントを聞きます。自分はどこまで持ちこたえられるかな?と不安もありつつ、経験したことのない極限状態を楽しんでいる感覚もありました。とりあえずこの段階では眠気は全くなく、かなり集中して前進できていました。

 

西登山道入口はウォーターエイドで水のみの補給です。ここから次の大橋林道エイドまではわずか5㎞なので、「ここの区間ラクできそうかな?」と多少油断してたらこれが大間違い!1㎞の登りは雨水が流れ水浸し…さほどの降雨ではなかったけどこの山、水捌けが良くないのかな?疲れは感じてないけど足元が悪く、さっぱりスピードが上がりません。シューズも靴下もずぶ濡れでテンションも下がります。

そして登りきったあとは4㎞の下りですが、こちらも水溜りだらけ…。最初は気にしてた足元も、ここまでくると開き直り、バシャバシャと突き進みます。しかしやはりこんな道ではスピードは出ないので、この下りがなかなか終わりません。「絶対もう4㎞進んだと思うんだけど…」と何度呟いたでしょうか?特にラスト1㎞な林道は眠気との戦いになりました。単純な下りは集中力も途切れ、心肺が下がり一気に睡魔が襲ってきます。本当は飛ばせる林道の下りで、私は随分抜かれたかな…。

 

下りきったところで大橋林道エイドに到着です。突然襲ってきた睡魔に従い、到着時はここで仮眠でもしようかと思いましたが、補給やスタッフの方々と会話してたら、だんだん眠気も覚めてきました。ボランティアの方の励ましを受け、次の戸隠エイドに向かいます。

 

ここから戸隠までは結構走れた区間でした。戸隠は独特の雰囲気のある山域なので、明るかったら走ってても楽しかったと思いますが、残念ながらこの時間は真っ暗闇。「今度は明るい時間帯に走りたいな」と思いつつも、それだともっと速く走るか、110㎞の部で出るか、プライベートで来るしかなさそうです。ちょうどボリュームゾーンだったのか前後にランナーも多くいたため、あまりルート選択にも気を使わず行けた感じでした。

 

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夜10時半頃、戸隠エイドに到着です。標高が高くボランティアや応援の人たちはかなり寒そうですが、私にはちょうどくらいの気温でした。約20分の滞在で彼女が用意してくれたコーンリゾットとエイドの戸隠蕎麦を堪能します。ここにきて食欲は旺盛。眠気がやって来たのもあの時だけで、体調も悪くないです。いよいよ時間内の完走が見えてきました。ここを出れば、あとは栄光のゴールを目指すだけです。