まっちゃんの桜の木陰日記

自然豊かな富山を舞台にランニング、サイクリング、そしてカイロプラクティックを施すミドルエイジアスリートの日記

憧れ続けた100マイラーの夢を叶えた信越五岳2018③(赤池〜妙高)

赤池エイドを重い足取りで出た私。ここから袴岳への登りへと挑みます。エイドを出てしばらくは歩いていましたが、それでも補給の効果は現れてきて、少しづつ元気になってきました。絶好調ではないけど、これならなんとかなりそうかな…と気持ちも前向きになります。

 

そしてこの辺りで、ヘッドライトの明かりが徐々に暗くなっていることに気付きました。私が今回使用したペツルのアクティックコアのバッテリーの持ちは7時間。そろそろ消耗してもおかしくないタイミングです。というか、本来ならば赤池エイドで電池交換すべきだったんですが、自分の体調を気にするあまり忘れてました。トレイル傍に逸れ、ハンドライトを使い電池交換です。約2分ほどのロス…。こういった細かい作業の積み重ねがストレスになるなぁ…と自分の効率の悪さを反省しました。電池交換後は明るさを取り戻したライトと共に袴岳へ向かいます。

 

袴岳は特に苦労することなくクリア!そこから一気にトレイル、林道を下ります。去年はこの林道でかなりの眠気に襲われました。果たして今年はどうかな?と警戒してましたが、カフェイン入りジェルの効果もあってか、眠気がやってきません。「ここを飛ばすと後で取り返しがつかなくなる」と自分に言い聞かせ、ちょうど前後にいた3人ほどと並走しながら降りて行きました。胃腸トラブルも赤池エイド以降収まりつつあります。こりゃ遅れを取り戻すチャンスだな!と気合を入れ直し、長い林道を下り切ると今度は登り返しの約200段の階段が姿を現しました。赤池で補給したエネルギーがそろそろ切れそうな予感もあったので、くるみ餅を食べこの急階段に挑みます。この辺りでは前後のランナーとも間隔が空いてきました。

 

去年も苦しんだこの50㎞付近の山中。昨年の経験が生きて精神的にはゆとりがありましたが、山を登り始めて30〜40分経ったあたりでしょうか…突然の吐き気に襲われます。さっき食べたくるみ餅が全然効いてこないな?と思い始めた矢先でした。たまらずトレイル傍にしゃがみ込み、消化途中の餅を吐き出してしまいました。幸い他のランナーには見られませんでしたが、これを機に体の力がみるみると抜けていきます。なんとか小康状態だった胃ですが、餅はやはり消化に悪いみたいですね。かなり負担をかけたようで、たまらず逆流したみたいです。

こうなるとヨタヨタと真夜中の森を彷徨うゾンビ状態でした。もはや水しか飲めなくなり、登りはトボトボと歩くしかなく、ようやく下りにはいっても胃が揺さぶられ、気持ち悪さが倍増するためこちらも歩くしかできません。57㎞のアパリゾートのエイドには9時間15分で到着。昨年より1時間以上の遅れになっていました。

 

アパのエイドでは約40分も滞在してしまいました。というか、これくらい休まざるを得なかったというのが本音です。到着後10分くらいは椅子に腰掛けうずくまり、何もできない状態でした。正直、リタイヤも考えなくてはならないくらいギリギリで、ここから先に進める自信が全くありませんでした。10分後、ようやくエイドに立ち寄り、またしても胃腸薬を投入。ドロップバッグの受け渡しをして、エイド食や持ってたビスコやナッツをゆっくりと時間をかけて食べました。

 

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40分も滞在してると次第に夜が明けてきます。昨年の夜明けはもっと先の地点だったのに…と思いながらも、周囲が明るくなると気分的にも前向きになれます。あと、ここなエイドではお湯が飲めたんですが、これがとても胃に優しく、暖めたら一気に胃腸の働きが良くなった感覚がしました。今回の胃腸トラブルのハッキリとした原因はわかりませんが、冷えもあったのかな?あと、長時間ライトを使って夜通し走り続けるのは目眩も起こしやすく、気持ち悪さに繋がった気もします。どちらにしろ対策がか甘かったです。

 

時間は使いましたが、アパエイドを出る頃は多少は回復できていました。最悪の時期は脱した感じです。ここから妙高青少年の家エイドまでは下り基調で、大きな登りはありません。70㎞付近で2度目の嘔吐はありましたが、なんとか進み続けることができました。無理矢理でもジェルの補給を取り続け、歩くことはあっても歩き続けることはありません。スタートから12時間15分で妙高青少年の家に到着です。

 

アパエイドで終わりかけてた体調も、ここでは食べることができ、かなり回復してました。やはり食べ物のチカラは偉大です。「これならまだまだ粘れるぞ」と、リタイヤが頭をよぎった数時間前とは全く違う心境になっていました。さあ、まだまだ先は長いけど、とりあえずはまだ終われない!