まっちゃんの桜の木陰日記

自然豊かな富山を舞台にランニング、サイクリング、そしてカイロプラクティックを施すミドルエイジアスリートの日記

100マイルじゃなくても最高だった信越五岳2017 ③赤池〜アパリゾート

赤池エイドを出ると、まずは袴岳へと登っていきます。この赤池から、次のアパリゾートのエイドまでは19㎞。袴岳への登りとその後の下り、さらに関川沿いに下りきってからは、今回100マイル用に切り開かれた新たなトレイルを巡るとあって、かなりの苦戦が予想されました。自分の大体の感覚として、おそらく3時間はかかるんじゃないかと…。

 

袴岳の登りは急ではありませんが、だらだらと登らせられます。エイド出た直後なのでまだまだ元気ですが、この辺りからトレイルの脇でうずくまるランナーたちを見かけるようになりました。おそらく眠気に襲われ始めたのでしょう。深夜1時ごろなので、そうなるのも仕方ないですね。私もカフェイン入りのジェルを取り、この時にはまだ訪れていない眠気を封じ込めました。

 

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赤池を出て約50分で袴岳に到着です。スタッフの方がいたからそれと気付きましたが、そうでなければ真っ暗なので分からなかったかもしれません。山頂はなだらかな山でしたね。そしてここからゆっくりと下り始めます。

 

袴岳からの下りは林道やトレイルを長々と下りていきますが、ここで脚を使ってはいけないと思い、抑えて下っていくと後続のランナー達にどんどん抜かれていきます。さすがはトレランのメジャー大会!その中でも100マイルにチャレンジする人達は、この程度の下りはどんどん下りていきますね。抜かれてしまうと、どのランナーもあっという間に見えなくなりました。

 

まだ先は長いのでマイペースで…そう思いながらだらだら林道を下っていると、次第に眠気が襲ってきました。下りは心肺を使わないことに加え、長時間の夜間走で集中力も切れかかります。深夜2時を過ぎ、恐れていたことが現実になろうとしていました。

実は私、おんたけなどで深夜走の経験はありますが、その時も含め、これまでレースで眠気を感じたことはありませんでした。そのため、眠くなった時の対処方法を知らないまま、この脅威と向き合わなければなりません。

 

「ついに自分にもこの症状が出てきたか…」

 

想定はしていましたが、やはりキツい!手足に力が入らず、頭がボーっとします。うずくまるまではしませんでしたが、カフェイン摂っても解消される気配がありません。どこまで降らせられんだろうとおぼろげに思いながら、ようやく下りきりました。

下りが終わると今度は新コースを使った登りになります。いきなり100段以上はあろうかという石段が現れました。そういえばこんなコースだって言ってたかも…

「マジかよーこれを登るんか⁈」と絶望的な気持ちになりかけたとき、ここを登りだして数分すると意外に足が動くことに気づきました。そして登っているうちに心肺も活発になりだすと、眠気が次第に解消されていきます。強制的に体を動かしたからなのか、カフェインが効いてきたのかはわかりませんが、とにかく眠気は吹き飛びつつありました。途端に復活して、早速巻き返すと言った具合ではありませんでしたが、最悪の事態は抜けたようです。

 

とはいえ、100マイル用に新設されたコースは行けども行けども、景色が全く変わりません。真っ暗というのもありますが、鬱蒼とした森の中をただひたすら登っています。足が止まることはなかったのですが、持ってた水も少なくなり、果たしていつまで続くんだろうかと気持ちが弱気になりかけたその時、ゲレンデらしき広々としたところに出ると、視界の下の方に街の灯りが見えました。スタッフの方が「ここを2.3㎞下るとエイドですよ」と伝えてくれます。

「やれやれ、なんとかたどり着けそうだ!」と一瞬安堵し、慎重にゲレンデを降りていくと、ついにアパリゾートのエイドが見えてきました。ここの灯りを見つけた時は、まるで砂漠を彷徨う旅人がオアシスを見つけたような心境でしたね。赤池から本当に3時間以上かかり、やっとの思いでエイドに到着です。

 

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ここのエイドでは約20分ほど滞在しました。トイレを済ませ、食べやすい補給食をしっかりといただきます。スタッフの方に聞くと、「ここの区間が一番キツいみたいです。」とのこと。やっぱりそうなのかと改めて思い出すとともに、空を見上げると星空が瞬いていました。「台風、どうなんですかね?」と聞いてみると、「なんかあんまり影響ないみたいですよ。」と笑顔で答えてくれました。暗い夜道を1人で進んでいると孤独だし、ここから並走してくれるペーサーも私にはいないので、人と話すことですごく前向きな気持ちにさせてもらえます。スタート前に一緒だったAさんともここで少し話ができました。

 

 さて、あまりに居心地がいいので長居しそうになりますが、30分近く休むと今度は再出発が本当にキツくなります。午前4時ごろ、次なる目的地に向け走り出しました。

 

次のエイド、青年自然の家までは約15㎞。下り基調なので2〜2.5時間くらいと想定してのスタートです。

 

 

 

次へ続きます。