去り行く夏を追いかけて…。晩夏の黒部源流域を巡る!(2日目)
さて、夕食も食べ終え、暗くなった夜7時には寝袋にくるまります。満腹感と早起き&疲れからか、すぐに眠りに落ちました。…が8時くらいにすぐに目が覚めます。「あれ?なんだか明るくない?ライト消し忘れたかな…」と視線をテント内に巡らせると…
なんと月明かりがテントの中まで差し込んできてたんですね。まだ満月にはなってない時期でしたが、晴れて冷えてきた空気の中、煌々とテントサイトを照らしてくれていました。同時に「結構冷えそうだな…」とも感じましたが、まだ許容範囲と捉え、特に対策はせずに再度眠りにつきます。
次の目覚めは夜10時。ここは寒さで目が覚めました。予想以上の寒さです!地面から冷えるというよりは、空気そのものが冷たい感じだったので、いったん外に出てグランドシートを取り出し、砂を払い寝袋の上から被せました。多少は保温してくれているようでした。外に出た時も、月明かりが周りの山々の稜線をはっきり照らしていましたね。吐く息は真っ白でした。
しかし、この夜は本当に寒かった…。後で聞いた話ですが、0度近くまで冷え込んだようです。10時以降も約1時間おきくらいに目が覚めました。寒くて熟睡はとてもしてられません。深夜2時以降は結局寝ることを諦めて、ずっと起きていました。こんなに夜明けが待ち遠しい夜も久々です。
ただ、明け方近くには月も隠れ、今度は満天の星たちが輝き始めました。平地とは星の数が違います。天の川まで見える夜空はまるでプラネタリウムみたいに、ある意味不自然に感じました。本当はこれが自然なのに…
朝日を待つ槍ヶ岳と北鎌尾根。
東の空が明るくなってきました。私も朝食を食べ、撤収の準備をやり始めました。
今から登る鷲羽岳と三俣山荘。
早く登りたいんですが、テントを片付けると冷たくて手がかじかみます。
朝5時、荷物をまとめ鷲羽岳に向けスタートです。振り返ると三俣蓮華岳が朝日に染まってました。
前日に訪れた黒部五郎岳も朝日を浴びています。キツイはずの登りも、周りを眺めながらだと楽しくて仕方なかったですね。
1時間ほどで鷲羽岳に登頂です。ここからの景色がこの旅のハイライトでしょう。遠くには富士山の姿も!
山頂では前日に三俣蓮華岳でご一緒だった方と再会です。槍ヶ岳をバックに写真をお願いしました。富山の百山、30山目です。
ずっと見ていられる景色でしたが、朝日を浴びての稜線歩きがしたくてウズウズです。またの登頂を誓い、次なる山、水晶岳に向かいました。
東には燕岳〜大天井岳を繋ぐ表銀座ルートの稜線が!いつかはあそこも歩いてみたい。
水晶小屋と野口五郎岳。もちろん裏銀座ルートも完歩してみたいですね。
水晶岳が目の前です。ピーク手前は険しい箇所もありますが、気を抜かなければ大丈夫。
無事、水晶岳登頂です。富山の百山31山目!
山頂からは360度のパノラマです。一週前にマラニックで登った立山雄山や剱岳、後立山連峰の山々も見えます。まさしく北アルプスのど真ん中!
裏銀座ルートを独り占めしてます。
雲ノ平を見下ろす祖父岳(じいだけ)が富山の百山32山目です。
雲ノ平に来ました。チングルマの果穂が花火みたいで夏の終わりを感じさせます。
都会のカフェのような雰囲気の雲ノ平山荘でパスタを注文です。昨晩三俣キャンプ場に泊まったという方と「今朝は寒かった!」といった会話をしました。折立から一泊二日で周ってると話すと「普通じゃない!(笑)」と驚かれました。
雲ノ平からの長くしんどい下りを降りて、薬師沢に到着です。黒部川の水は澄んでて冷たかった。
薬師沢小屋名物の吊り橋です。高所恐怖症の人は注意!
太郎平まで戻って来ました。午後からは雲も出ましたが、今回は全く雨に会いませんでした。
ここから更に折立まで降りないといけないんですが、私とってはここがゴールたいなもんですね。ここまで無事に戻ってこれたことの安堵感と、この旅が終わってしまう寂しさが混ざる、なんとも言えない感覚でした。
この後、ちゃんと折立まで下山し、今回の旅を歩き終えました。北アルプスの夏の最後の輝きに触れた、素晴らしい山旅になりましたね。
ちなみに今回の山旅、シューズはセールで買ったローンピーク3.0で歩きましたが、ものすごく快適でした。信越100マイルもこれで参戦かな。ただ、ガレ場続きだったので、使用回数一回とは思えないほどに、あちこち痛みましたね。