最難関の富山百山?隙を見せた笈ヶ岳を大型連休に踏破
私が挑戦中の富山の百山の中で、最難関の1つと思われたのが「笈ヶ岳(おいずるがたけ)」です。標高1841m。日本二百名山に数えられているため、一昨年プロアドベンチャーレーサーの田中陽希さんも、「グレートトラバース2」でこの山に登頂されましたが、全ての山の中で最も苦労した山だったようです。
この山を難攻不落にしているのは登山道がないという点です。したがって無雪期の登山は藪に阻まれ、ほぼ不可能(10月に登った陽希さんが異常なのです…)。藪が雪で隠れている残雪期のわずかな期間しか隙を見せてくれません。その雪の量も多すぎても少なくてもダメなようで、本当にタイミングが難しい山のようです。百山踏破を目指すとはいえ、この山に挑むのはもっと後だと思っていたのですが…。
今年は笈ヶ岳の隙が大型連休にタイミングが合ったことと、前の週に登られた方から情報をいただけたという幸運も重なって、思い切ってのチャレンジとなりました。
まずは朝3時半に起床。4時に自宅を出て登山口のある石川県の白山ホワイトロードを目指します。
百山のガイドブックでは富山側からのルートを載せていますが、難易度がより高くなるので今回は石川側から登ります。
2時間弱で到着。駐車場はなんとか空いてました。6時ちょうどに登山開始です。
正式な登山道はないんですが、踏み跡はしっかりあるのでそれをトレースしていけば道迷いはしないかな…。それにしてもスタート直後からいきなり急登です。あっという間に汗まみれになってので、ウインドシェルを脱いでシャツ一枚になりました。
標高を上げていくと残雪が出現。藪が面倒なのでむしろ歩きやすくなるのと、暑さも和らぎます。
今回の登山の新兵器アイゼンです。雪渓歩きには絶対必要とのことで用意しました。ピッケルは持たないのでストックで…。充分でしたが。
アイゼン付けての雪渓歩きは楽しいですね。踏み跡もあるのでかなり助かります。ちなみに地図はほとんど使いませんでした。
シリタカ山で一休み。バックに見えるのが笈ヶ岳。
頂上手前の雪の壁。同じく連休中の踏破を狙う登山者がたくさんいました。
もうちょっと…。
やりました!スタートから3時間20分。ついに笈ヶ岳の山頂に立ちました。正面に白山の真っ白な姿が!
他の登山者の方に撮ってもらいました。山頂では後からやって来る登山者とハイタッチを交わすなど、共に登頂を分かち合う雰囲気でした。
大笠山方面。いずれはこっちから登りたいですね。
約20分の補給、休憩の後下山開始しました。雪渓は楽しいし涼しく歩けたのですが、高度を下げ雪が消え、アイゼン外し藪を相手にしだすと途端に苦労しました。猿には驚くし、急坂の下りは気を使うし、そしてとにかく暑い!麓と山頂の気温差もかなりあったようです。
でもなんとか無事下山完了。往復6時間ちょうどの登山でした。
まさか笈ヶ岳を14山目に持ってこれるとは思ってもいませんでした。条件に恵まれた感はありますが、自信にもなりますね、これは!
それにしても登山はリアルロールプレイングゲームですね。ドラクエと一緒。経験を積み、新しいギアを使いこなすことで、新たな場所に行けるようになります。もっともっとレベルアップしたいです。