まっちゃんの桜の木陰日記

自然豊かな富山を舞台にランニング、サイクリング、そしてカイロプラクティックを施すミドルエイジアスリートの日記

百名山をハシゴした、一泊二日の秘境ルート

日本百名山の中でも体力的に最難関とされる鷲羽岳水晶岳。どの登山ルートを選んでもコースタイムは20時間以上はかかるとされ、通常は最低でも2泊は要する北アルプスの最深部にあります。

先月の20日にこの鷲羽岳の麓までは来たけれど、この時は時間の都合や悪天候のため迂回して、ピーク踏破は叶わず。(この時のブログhttp://kotobuki-matsu.hatenablog.com/entry/2016/08/21/221422)今回は一泊二日のトリップで鷲羽岳水晶岳百名山踏破を狙いました。

前回はトレランスタイルでしたが今回は登山スタイル。32リットルのザックにテント、シュラフ、着替え、食料等を詰め込み北アルプスの最深部を目指しました。

 

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今回の相棒です。重さは5〜6キロくらい?下やフラットならば走れなくはないけど、今回はハイクで辿ります。

 

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いつもよりは時間をかけて太郎平に到着です。天気いいっす。

 

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黒部五郎への登りの途中のハイマツ帯で雷鳥を発見。今年の夏は雷鳥の発見率高かったです。

 

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いつ見ても見事な黒部五郎のカール。別天地ですね、ここは。

 

スタートから5時間行った黒部五郎小舎で休憩を挟みます。本当はここで山小屋メニューを食べたかったけれど、残念ながら私の前の人がラストだとか。ショックですが、ここでは自分の持って行ったチャンクスコーンを食べました。初日はここまでにする選択肢もありましたが、次の日の負担を考え先の三俣小屋まで行くことにしました。

 

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前回はガスガスだった三俣蓮華岳。今回もさほど視界は良くないけど、双六方面は縦走道が見えました。

 

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三俣峠を過ぎて三俣小屋方面へ降りると雲の切れ間から鷲羽岳が姿を!ここから見た山容が鷲が羽を広げたように見えるから鷲羽岳と呼ばれるとか。前回は拝めなかった姿にただただ感動です。

 

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山小屋で受付を済ませ、テン場で今夜の寝床を確保。ルナーソロは設営も簡単で軽いので登山にはぴったりです。持って行ったアルファ米がディナーでした。

 

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翌朝の風景。風もなく、夜もよく眠れました。気温は凌げたけど結露は仕方ないですね。

 

5時前から撤収し始め、5時半には鷲羽岳へ向けて出発。前を行く登山者をパスしながらピークを目指します。寝た後はやはり体力回復してて、調子よく登れますね。

 

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ピーク手前で雲海から顔を出す槍ヶ岳穂高の姿が!迫力満点でした。

 

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念願の鷲羽岳山頂に到着です。360度のパノラマでしたが、朝日に照らされた黒部五郎をバックに選びました。

 

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こちらは薬師岳百名山に囲まれた、山好きにはたまらない景色です。

 

約20分の滞在の後下山。ワリモ岳を縦走して次なる山、水晶岳を目指します。「結構距離あるなぁ…」と思っていましたが、ルートは歩きやすい快適な道。朝日を浴びながらの縦走は、目に飛び込む全てが美しく、自分が普段過ごしている景色とは全く違う世界でした。まるで別の星に来たかのようです。

そんな景色の連続なので、時間の経過が全く苦になりません。気づけば水晶小屋に到着。ここから水晶岳までは30分ほどです。

 

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水晶岳の名の由来は、山頂付近の岩から水晶が取れたからとか。確かにピーク手前には水晶を含んだ岩がゴロゴロ。この辺りは急登で、道も狭いので、水晶小屋に荷物置いてピストンした方がいいかもしれません。

 

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でもあまり苦戦することなく、無事水晶岳に到着です。ここは富山市の最高地点(2,986m)。頂上はあまり広くありません。私を含め、3人が頂上からの景色を満喫しました。

 

水晶岳を下り、水晶小屋まで戻ってきたところで「おしるこ」を注文しました。疲れた体と脳に小豆の甘みが染み渡り、焼き餅がパワーを与えてくれます。山小屋メニューは値段が高いのは仕方ないけど、目の前の景色がスパイスになって格別に美味しく感じます。

 

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雲ノ平まで来たところで、先程登頂した水晶岳を眺めます。黒岳の別名通り、山肌は確かに黒いですね。

 

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同じく雲ノ平から見た鷲羽岳

 

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黒部五郎岳

 

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三俣蓮華岳と、右奥の三角のピークは笠ヶ岳ですね。

 

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雲ノ平は静かで全く登山者に会いませんでした。日本最後の秘境を独り占めです。

 

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雲ノ平山荘で休憩。ここでチキンライスを食べました。ここでも利用者は私一人だけ…。

 

雲ノ平から薬師沢に降りる登山道はかなりイヤな道。陽の当たらない苔むした岩場を慎重に下りていきますが、いつまで経っても黒部川に着けません。今後もこの道を通る事はありそうですが、毎回注意しないといけませんね。

 

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ようやく水の音が聞こえたところで薬師沢に到着です。ホッとしました。一息ついて、黒部川の水で顔を洗い、喉を潤します。冷たくて澄んでいましたね。

 

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薬師沢から太郎平の途中のカベッケが原あたりです。ここには伝説の生き物の河童が住んでいるという…。確かにそんな雰囲気はありますね。

 

太郎平手前でこの旅唯一の雨に見舞われました。レインウェアを着ようか迷ったけど、小屋まであと少しだったことと、体力的にまだ余裕があり動けるため、体が冷える事はないと思われたためそのまま進み続けることに。この判断は間違ってなかったようで、大して影響もないまま太郎平小屋に到着しました。

 

この旅ラストの食事は太郎平小屋のラーメンを食べました。いつものカップラーメンも美味いけど、山小屋のラーメンも美味しいなあ。

北アルプスの山旅は山小屋も多いので、上手く利用するといいですね。食料も減らせるし、何より味に変化をつけられるのがいいかなと。アルファ米ばかりじゃさすがに飽きるので。

あと、私のイメージでは、山小屋の食事はレトルトに近いインスタント的な食べ物ばかりと思ってたけど、オシャレで手の込んだ食べ物もあってビックリ!雲ノ平山荘では食堂にジャズ音楽まで流れて、都会のカフェかと思うような雰囲気でした。山ガールとかが増えたから、こんな風に様変わりしてるのかな。

 

太郎平から折立に下り、今回の旅は無事終了です。いやー、楽しすぎました。一泊二日の山旅は、これからもどんどんやっていきたいですね。

 

今回の旅のまとめ。

1日目。折立→太郎平→黒部五郎岳→黒部五郎小舎→三俣蓮華岳→三俣キャンプ場で22㎞、7時間。

2日目。三俣キャンプ場→鷲羽岳水晶岳→雲ノ平→薬師沢→太郎平→折立で25㎞、8時間半。

ザック:OMM クラシック32

テント:シックスムーンデザイン ルナーソロ

シュラフ:スカイハイスリーピングバッグ

マット:イナーシャオゾン

食料:おにぎり2つ、アルファ米2つ、チャンクスコーン1つ、山よりだんご1つ、スポーツようかん2つ、マグオン3つ。水はウルトラボトル500ml一本を水場で都度補給。テン場ではプラティパスの1リットルを併用。